源氏物語映像作品によく登場する女君は?(3)
前回は皆勤組の女君を紹介しましたが、今回は一回だけ出なかった精勤組の女君の紹介です。
写真は、著作権切れしている『源氏1951』の4Kカラー化復元作品からのスクショです。
源氏物語 / The Tale of Genji (1951) [4kカラー化 映画 フル / 4k, Colorized, Full Movie] - YouTube
精勤賞:六条御息所【登場回数8回】
嫉妬心が高じて、生霊となって(更に死霊としても)光源氏の妻妾を襲う六条御息所の物語は非常に劇的な要素が強いため、ドラマ化されやすいのだと思います。室町時代にできた能の有名演目である『葵上』も、六条御息所を描いたものです(表題になっている葵上自身は、この演目には出てきません)。
しかし、源氏物語の女君の中でもとりわけよく知名度の高い女君でありながら、出なかった作品が一つだけあります。実はそれが『源氏1951』で、六条のスクショが用意できない理由は出ていないからに他なりません。
どうして六条は『源氏1951』に出なかったのか?この点については、近いうちに改めて考察したいと思います。
精勤賞:紫上【登場回数8回】

源氏物語のメインヒロインはだれかと考えた場合に、藤壺と紫上のどちらだと考えるべきかで議論になるかと思います。少なくとも、源氏物語で一番長く登場する女君は紫上であるに違いないので、それを基準にするならメインヒロインは紫上なのでしょう。
ただ、それにもかかわらず、映像作品における紫上は藤壺に比べて目立たないことが多いです。そうなる理由は、現代の映像作品の題材となりやすいドラマチックな場面が光源氏と知り合う幼少期に限られていて、成人化した後の紫上は良くも悪しくもただの妻になってしまい、ドラマチックな出来事に恵まれないという事情があります。
もっとも、幼少期の光源氏との出会いの場面だけは有名なので、これはやるのが普通なのですが、その記録が途切れたのは最新映画である『源氏2011』でした。この映画は源氏物語の本当に初期の部分だけを切り取っているので、紫上との出会いも省略されたのです。
精勤賞:朧月夜【登場回数8回】

朧月夜もかなりよく登場しますが、その理由は光源氏の人生の転機である須磨流謫を発生させるために欠かせないキャラであるという事情が大きいと思います。
また、光源氏の敵役として弘徽殿が登場しやすいため、彼女の妹である朧月夜も一緒に出やすいという事情もありそうです。ただ、原作の設定では朧月夜は弘徽殿の妹なのですが、親子に近い年齢差のある妹であるため、現代の映像作品では年齢差に見合った血縁関係にしたいのか、朧月夜は弘徽殿の姪として設定されることが多いです。
ただ、須磨流謫にすら辿り着かない初期だけが舞台になる『源氏2011』では、紫上共々存在が消去されてしまいました。
精勤賞:弘徽殿【登場回数8回】

源氏物語の女君の定義を光源氏の恋愛対象となる女性として定義すると、弘徽殿は女君には該当しないのですが、光源氏に関わる女性として捉える限り、弘徽殿も非常によく登場します。
光源氏の母親である桐壺更衣への帝の寵愛に嫉妬し、源氏の成長後は彼の失脚を企む最先鋒キャラとして描かれるため、敵役としての需要が非常に高いわけです。妹の朧月夜が出なかった『源氏2011』ですら登場した弘徽殿ですが、『源氏1966』に出ていないために皆勤は逃しています。
『源氏1966』は光源氏と恋愛関係になる女君が非常に多く登場する作品なのですが、そのために恋愛関係にならない弘徽殿の存在は消去されたと考えられます。
1回出ないだけの精勤組は以上の4人です。この後は、夕顔と(光源氏と恋愛関係になるわけではないが)秋好中宮が6回登場で続いていきます。