源氏物語映像作品によく登場する女君は?(2)
それでは前回の記事「源氏物語映像作品によく登場する女君は?(1)」で紹介した9つの源氏物語の映像作品の中で、よく登場する女君が誰だったか、調査結果を発表します。
文章だけだと退屈なので、最も古い源氏物語映画で、著作権が既に切れている作品(パブリックドメイン)『源氏1951』からの写真引用を行いつつの紹介にしたいと思います。もっとも『源氏1951』は本来は白黒作品なのですが、4Kカラー化した下の動画からスクショさせてもらったので、AIによる着色が行われています。
源氏物語 / The Tale of Genji (1951) [4kカラー化 映画 フル / 4k, Colorized, Full Movie] - YouTube
ちなみに『源氏1951』で光源氏を演じたのは、戦前から戦後にかけての時代劇スターとして有名な長谷川一夫でした。「ミーハー」という言葉の語源を生んだとも言われる程の伝説的な人気を誇った美男子俳優ですが、『源氏1951』の公開時は既に43歳になっておりました。
当ブログ記事のサムネイル画像として用いているのも、この作品(の4Kカラー版)における長谷川源氏の画像です。
それでは、登場回数が多い女君を発表していきます。今回は、全ての作品に登場していた皆勤組の発表です。
皆勤賞:藤壺【登場回数9回】
調査した9つ全ての作品に登場しておりました。
光源氏は父帝の妃との不義密通を通じて子供を儲け、その子が帝として即位することが源氏を准太上天皇という臣下を超えた身分にまで押し上げますが、その後に新たに娶った妻が不義密通の末に子供を産むという栄光と因果応報の物語は、長編である源氏物語の核を形成している物語。この核を外す映像作品は(今のところは)ありません。
皆勤賞:葵上【登場回数9回】
藤壺と同じく、全9作品に登場していました。
光源氏の最初の正妻ですが、夫婦仲はよくありません。しかし妊娠を契機に関係が修復されていき、いよいよ子供を出産して関係が良くなると思われたところで、突然の死に見舞われる。こうした夫婦関係の劇的な展開はドラマ向けとも言えるのでしょう。好んで描かれる題材になっています。
全登場は、実のところこの二人だけです。一作のみ登場しない女君が、何人か後に続きます。それが誰かについて明かすことは、次回の記事に回します。